映画、SELECT第一弾

★イングマール・ベルイマン/闇の中の音楽 [スウェーデン]
《盲目の調律師の恋物語。ベルイマンの映画は基本的に暗い。でもこの作品はめずらしくそんなに暗くないです。僕は何かベルイマン映画を観てると不思議に落ち着くので好き。》


★タルコフスキー/鏡 [ロシア]
《とにかく映像美!このフィルムには何かが宿っているんじゃないか?まさしく酔ってしまうほどのシネマコラージュ。》


★山中貞雄/百萬両の壷
《1938年作品。異色の丹下左膳を描いた喜劇!これ本当に戦前ですか?音楽の付け方もスピードも完璧。この監督は本当に凄い。この映画、話もかなり面白いです。天才的です》


★ゴダール/はなればなれに [フランス]
《言わずと知れたゴダール。批判の声もたびたび耳にしますが、私はゴダール映画どれもこれも好きです。まず、女性がきれい!これは映画監督にとってかなり重要な能力でしょう。女性を魅力的に撮れる。つまりかなりの女好きでエロいのは間違いないです。》


★カール・ドライヤー/裁かるるジャンヌ [フランス]
《1928年作品。ジャンヌダルクの裁判を描いた、究極の無声映画。とにかく衝撃的だった。主役の人の表情が凄いんです!無声映画だからまた余計にそれが引き立って、震えます。衝撃的という言葉なら、これが今の所、一番。》


★ジョージ・シドニー/錨を上げて [アメリカ]
《フランク・シナトラとジーン・ケリーのミュージカル。ミュージカル嫌いの私だったが、この映画は普通に楽しかった。考えを改めます。ジーン・ケリーの踊り、めっちゃ上手くてなんかダサいし、話の流れもとっても不自然なんだけど、なんか大胆で愉快でした。》


★黒澤明/白痴
《ドストエフスキー原作の映画化。三時間くらいある長い映画で確かに疲れるのだけど、凄く記憶に残る。原節子の表情が、裁かるるジャンヌの凄まじい表情と被る!》


★相米慎二/風花
《浅野忠信、小泉今日子。基本的に映画観ていて涙する事は私、あまり無いです。でもこの映画のあるシーンの所でいつも涙が出る。なんかたまらないんでしょうね。浅野さん、小泉さん、共に素晴らしい限りで、感服です。》


★ルイス・ブニュエル/アンダルシアの犬 [フランス]
《ダリとの共作で有名なカルトムービー。1928年作品。これは凄く刺激的だった。これに刺激を受けた作家は世界中に五万と居るでしょう。私もその一人。》



〇映画はよいです。好きです。自分の体調や日々の流れによって、全く映画を観ない時と毎日のように観るときがあって、もの凄く良い流れで、もの凄く良い映画を観れたりすると、本当に刺激的。それと私は俳優という人を凄く尊敬する。映画はやっぱり監督のものなわけで、どんなに素敵な俳優が出ていても、監督が駄目ならその映画は駄目になってしまう。しかしそれでも、俳優はそこに飛び込んで行ける。そこで、"ただ存在する"という能力がある。これは凄く魅力的。…にもかかわらず、よく馬鹿なインタビュアーが俳優に対して、「今後、やりたい役はどんな役ですか?」などと言っているのをよく目にする。"それが無い"というのが俳優の一番の魅力だと思う。

1.10

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