場とわたし
今更ではありますが、まず始めに...私に演奏の場を与えてくれた、またこれから与えてくれる皆様に心より感謝します。ありがとうございます。そしてこれからも宜しくお願いします。
ライブというのは言い変えれば「場とわたし」の活動なので、わたし一人のコンディションやモチベーションだけでは良い演奏も場も生まれません。「いま最高の演奏を」いつもしたいと思ってはいるが、「いま最高の演奏を」できたと言いきれることは少ない。一つの場にはあまりにも多くの要素がある...。それらが何らかの力で引き寄せられ、重なったとき、わたしははじめて「いま最高の演奏」ができるのだと思う。そしてその何らかの 力というのは、「人」の力であると思う。
先日、わたしは感動した。
「いま最高の演奏」ができた。
それは奇跡といってよいくらいに様々なことがその日に流れ込み、重なって実現した場だった。その場を作ってくれた主催者の力だ。多くの人の協力があったのも、その人の力だ。わたしは驚いた。わたしが主演のそのイベントを成功させるために、その主催者はお参りにまで行ったそうだ...。あたりまえのように前夜、寝れなかったそうだ...。そのくらいの姿勢で一つのイベントに向かう主催者を、正直わたしは見たことがなかった。彼はわたしが来たからだと言ってくれたが、様々な要素が不思議なくらいに引き寄せられたのも、間違いなく彼の力だろう。そうやっ て演奏の場を与えてくれたこと、わたしは忘れない。だからこそ次はもっと...ゆきたい。
こういう場を体験したことで「場とわたし」についての何かが明確になった気がする。前以上に演奏の場を与えてくれて「ありがたい」と思う。
「全力」とはなにか?
それは場の全ての力です。
2011.10.06
photo by Kosuke Fujimura