想像力、シャーマニズム、BOREDOMS、ピラミッド、演奏術
何をするにも“ヴィジョン”が必要だと思う。
自分のやろうとする事を、ある域から上へ持っていくのに必ず必要なのが正確さ。で、正確にやるにはヴィジョンが必要。そして、ヴィジョンを持つには“設定”が必要である。自分が何者ナノカ?この宇宙の中で、どういう域に属し、そこで何をする者ナノカ?それを考えるためには“想像力”が必要である。想像力は本当に凄い力だ。
では、どうやって想像力を豊かにするか?
それを日々考えるべきではないだろうか。この無駄に物が溢れた状況の中で、それを養うのは実に困難な事だが。まず、視覚だけを頼りにする癖をどうにかした方がよい。“目”の使い方は一つじゃない。普段の生活の中でも、目を閉じるって事を利用するのは実に有効だと思う。“閉じる”って事は“開く”ってことだからね。ヴィジョンを持ちやすい。
関西発、宇宙行きのバンド、BOREDOMSはメンバーが輪になるよう向かい合って演奏する。例えば4人編成なら、メンバーの位置を結ぶと正方形になり、それを底辺としたピラミッドをイメージする。そのピラミッドの頂点で透明のディスクを廻す。そんなヴィジョンを元に演奏するらしい。
メンバーに過剰なエネルギーがあると、きれいにピラミッドを作れない、正確さに欠けると、てっぺんのディスクは廻らない。
これも想像力のなすところだ。
ミルチア・エリアーデ著書の『シャーマニズム』(堀一郎 訳)で、幾つもの素晴らしい想像力が書かれていた。例えば、
《トルコ・タタール人は空をテントと想像している。天の川は「幹」で、星は輝く「穴」であると考える。……中略……空の中央には、北極星が止め棒のように天上のテントを支えて輝いている。サモエード人はこの星を「空の留め鋲」と呼び、チュクチ人やコリヤーク人は「鋲の星」と呼んでいる。同様のイメージや語法は、ラップ人、フィン人、エストニア人の間にも見られる。》
…このような想像力のエピソードが当たり前のように幾つもある。これは、彼らの持つ宇宙観において、とても自然で、必要性があり、それゆえに具体的なヴィジョンである。まぁ今の日本で、シャーマニズムだのなんだのと言うつもりはないけれど、少し見習わなければならないのでは?などと思うが、とにかく私が見習いたい。
それぞれのビルのてっぺんにピラミッドを持つだけでも、どれだけ豊かになるだろう?きっと空も違って見えてくる。ただきれいなだけじゃない。想像力を単なる想像とするなんて以っての外だ。そもそも私たちは何よりも想像の世界の中で生きているはずなのに。
ああ、だから散歩が楽しい。演奏が楽しい。音楽は宇宙船だ。宇宙船を上昇させるにはどうすれば?右旋回させるには?まだまだ演奏術が足りない!
宇宙船をS字飛行させるための演奏術を!
3.24