Vibrations in Ⅰ,3/15

演奏中に最も重要なことは無知であることだ。しかし、そのためにも知識に対して貪欲でなければならない。無知になるために、知識が必要だ。だから朝から晩まで、本にレコードに漁り回った方がいい。どんな環境でも本が読める能力を、身につける必要がある。

3.15


過去の偉大な聖人、学者、奇人、狂人、覚醒者…皆、一つの同じ扉をくぐっていった。
その扉は徹底された内部への意識と研究の道の先にある。音楽家も画家も宗教家も関係ない。皆、一つの同じ扉をくぐっていった。

3.15


全音?半音?…CにC#?そんなことに縛られるなんて全く馬鹿げている。“自然”はいつも言ってくれる。「あなたの響きで。」
私のトーンで…。

あのサン・ラーもバンドメンバーにこんな事を言っていた。『君の知らないことの全てを演奏してみて!君の知らないことは無限大さ。CとDの間には幾つの音符があるか知ってる?それらのトーンを扱えば、君は“自然”を演奏できる。自然は音符を知らない。』

3.15


全てのものは振動している。そこの灰皿も、レコードも、惑星も、私も。この振動こそ、まさしく音楽の源であり、宇宙と対話するための言語ではなかろうか。

3.15


音楽とは最も純粋な宇宙的言語である。

3.15





深夜の食事。




そういえば今日は友人の結婚式だ。二人とも数少ない友人だが、お金が無かったので出席できなかった。
夫の方はイルボンという名の詩人で、私とは同じ日にパフォーマンスをしたり、レコードを借し合ったりする仲で、この一年間で最も頻繁に会ったのは、イルボンだろう。それでも数えられるくらいの数だろうが。
嫁は、チョネという名で、前々から私の音楽を気にいってくれ、頻繁にコンサートへ足を運んでくれる、貴重なファンである。
彼女は精神患者と接する仕事をしており、以前イルボンと二人で私の自宅に遊びに来ていた時に、私は何の精神病か?という話をし、彼女は私の病名を、「誇大妄想癖」とした。
今思えば、それは実に喜ばしい答えだった。

3.15


…一日の終わりに最後のVibration…


私なりの宇宙飛行について、あらゆる発見をし、方法を考え、それを音楽を使って体験し、ものにしたい。

3.15

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